イタシヤキチプの図
是は前に出せる舟敷の事也、夷語に
イタシヤキチプと称するは、イタは板をいひ、シヤ
キは無きをいひ、チプは舟の事にて、板なき
舟といふ事也、もと舩の敷なるをかくいふ
ものは、丸木をくりたるまゝにて左右の板を
付す、夷人河を乗るところの舟とことならさる故、
時によりては其まゝにて川を乗る
事も有ゆへにかくはいえるなり、万葉集に
棚なし小舟といへるはこれなるにや、今に
至りて舩工の語に、敷より上に付る板を
棚板といふ、さらは無棚小舟は棚板なき舟と
いふの心なるへし、今 本邦の舩の
イタシヤキチプと称するは、イタは板をいひ、シヤ
キは無きをいひ、チプは舟の事にて、板なき
舟といふ事也、もと舩の敷なるをかくいふ
ものは、丸木をくりたるまゝにて左右の板を
付す、夷人河を乗るところの舟とことならさる故、
時によりては其まゝにて川を乗る
事も有ゆへにかくはいえるなり、万葉集に
棚なし小舟といへるはこれなるにや、今に
至りて舩工の語に、敷より上に付る板を
棚板といふ、さらは無棚小舟は棚板なき舟と
いふの心なるへし、今 本邦の舩の
これは前述した船体のことである。アイヌ語でイタシヤキチプというのは、イタは板のことをいい、シヤキは無いということ、チプは舟のことであって、「板の無い舟」ということである。もともと船体であるものをこのようにいうのは、丸木を刳りぬいたままで左右の板をつけず、アイヌの人びとが川で用いるところの舟と変らないし、場合によっては、そのままで川で乗ることもあるのでこのようにいうのである。
万葉集に「棚なし小舟」というのはこれではなかろうか。現在の船大工のことばに、船体より上につける板を棚板という。それならば「無棚小舟」は「棚板なき舟」といういみであろう。今、日本の船の
万葉集に「棚なし小舟」というのはこれではなかろうか。現在の船大工のことばに、船体より上につける板を棚板という。それならば「無棚小舟」は「棚板なき舟」といういみであろう。今、日本の船の
































































































