タカマヂの図
図の如くに木を製し、舟の左右の縁に
とち付てこれにカンヂといへる物をさしこ
ミて舟をこく、
カンヂの図後に見へたり、
是をタカマヂと称す、タカマは跨く事をいふ、
ヂはすへて小なる物の高く出たるは乳の
如くなるをいふ、此タカマヂと称する事、其義
いまた詳ならす、夷人のいふところは、舟を
こくにあはら木のある舟はそれに左右の
足をふミあて、左右のタカマヂにカンヂをさし
こミて、跨り居てこぐ、あばら木のなきハ舟
底に横木をいれ、それに足をふミかけ跨り
居てこぐ、何れまたかる所の左右の
ふちに乳の如く高く出たるもの故、ま
たがる乳といふ心にてタカマヂと唱ふるよしなり、
されとも此義さたかなる解とハおも
はれす、追て考ふへし、
とち付てこれにカンヂといへる物をさしこ
ミて舟をこく、
カンヂの図後に見へたり、
是をタカマヂと称す、タカマは跨く事をいふ、
ヂはすへて小なる物の高く出たるは乳の
如くなるをいふ、此タカマヂと称する事、其義
いまた詳ならす、夷人のいふところは、舟を
こくにあはら木のある舟はそれに左右の
足をふミあて、左右のタカマヂにカンヂをさし
こミて、跨り居てこぐ、あばら木のなきハ舟
底に横木をいれ、それに足をふミかけ跨り
居てこぐ、何れまたかる所の左右の
ふちに乳の如く高く出たるもの故、ま
たがる乳といふ心にてタカマヂと唱ふるよしなり、
されとも此義さたかなる解とハおも
はれす、追て考ふへし、
図のように木で作り、舟の左右の縁に綴じつけて、これにカンヂという物を挿し込んで舟を漕ぐ。
<註:カンヂの図はのちに出している>
これをアイヌ語で「タカマヂ」と称する。タカマは跨くことをいう。ヂはとは小さなものが高く突出して乳のようになっているものをいう。これをタカマヂということの意味はまだよくわからない。アイヌの人びとがいうには、「あばら木」のある舟はそこに両足を広げて踏みあてて、左右のタカマヂにカンヂを挿し込んで漕ぐ。「あばら木」のない舟は舟底に横木をいれてそれに両足を広げて踏み
あてて漕ぐ。
いずれにしてもまたがるところの左右のふちに乳のように高く出ているものなので、またがる乳というほどの心でタカマヂというのであると。しかし、この意味も確かなものとは思われないので追って考えることにしよう。
<註:カンヂの図はのちに出している>
これをアイヌ語で「タカマヂ」と称する。タカマは跨くことをいう。ヂはとは小さなものが高く突出して乳のようになっているものをいう。これをタカマヂということの意味はまだよくわからない。アイヌの人びとがいうには、「あばら木」のある舟はそこに両足を広げて踏みあてて、左右のタカマヂにカンヂを挿し込んで漕ぐ。「あばら木」のない舟は舟底に横木をいれてそれに両足を広げて踏み
あてて漕ぐ。
いずれにしてもまたがるところの左右のふちに乳のように高く出ているものなので、またがる乳というほどの心でタカマヂというのであると。しかし、この意味も確かなものとは思われないので追って考えることにしよう。
































































































