ビン子アベシヤマウシイナヲの図
この二つはひとしく火の神を祭るに用ゆれ
とも、男女のわかちあるによりて其形ちの替れる
なり、ビン子アベシヤマウシイナヲといふは、ビンは男子を
いふ、子は助語也、シヤマウシイナヲは前にいへると同し
事にて、男子火のそはに立るイナヲといふ事也、
マチ子アベシヤマウシイナヲといへるは、マチは婦女をいひ、
子は助語なり、アベシヤマウシは前と同し事にて、
婦女火のそはに立るイナヲといふ事也、此イナヲに
男女のわかちある事ハ、火の神に男女あるといふにも
あらす、唯祭れるイナヲに男女のわかち有よし也、
これを夷人に糺尋するといへとも、いまた其義の
詳なるを得す、追て考ふへし、思ふに乾男坤女の
とも、男女のわかちあるによりて其形ちの替れる
なり、ビン子アベシヤマウシイナヲといふは、ビンは男子を
いふ、子は助語也、シヤマウシイナヲは前にいへると同し
事にて、男子火のそはに立るイナヲといふ事也、
マチ子アベシヤマウシイナヲといへるは、マチは婦女をいひ、
子は助語なり、アベシヤマウシは前と同し事にて、
婦女火のそはに立るイナヲといふ事也、此イナヲに
男女のわかちある事ハ、火の神に男女あるといふにも
あらす、唯祭れるイナヲに男女のわかち有よし也、
これを夷人に糺尋するといへとも、いまた其義の
詳なるを得す、追て考ふへし、思ふに乾男坤女の
この二つは、同じく火の神を祭る際に用いるものであるが、男女の別があるために、その形状が異なっているものである。ビンネアベシヤマウシイナヲとは、「ビン」は男子を表わし、「ネ」は助詞、「シヤマウシイナヲ」は前述の通りであり、合わせて「男子の火のそばに立つイナヲ」という意味である。「マチネアベシヤマウシイナヲ」とは、「マチ」は婦女を表わし、「ネ」は助詞、「アベシヤマウシ」は前述の通りであり、合わせて「婦女の火のそばに立つイナヲ」という意味である。このイナヲに男女の別があるのは、火の神に男女の別があるからというわけではない。ただ祭るイナヲに男女の別があるのみであるという。このわけについてアイヌの人々に聞き尋ねてみたのだが、いまだにその理由を詳らかにできないでいる。追って後考を期したい。ただ思うに、乾男坤女の







































