アフンカルの図
アフンカルといへるは、アフンは糸をいひ、カルは造る
事にて、糸を造るといふ事なり、是は前にいふ
如くアツの皮をよくーーやはらかになしてより、
麻を績する如くいつにもさきて次第につなき、
岐頭の木に巻つくる事図のことし、そのさまさなから
奥羽の両国にてしな太布を織る糸を績くとこと
なる事なし、
しな太布といふは、しなといへる木の皮にて織し
ものなり、是は奥羽の民家にて此布をもて
衣に製し、農務およひ力を労する業をなす時
に服するものなり、とりもなをさす今蝦夷の
人服用するアツトシは、此製の遺風を伝へたると
見ゆるなり、
凡衣服を製する業のうち、此糸を績事尤かた
き事にて、日かすを重ぬるにあらされは就しさる
ゆへ、昼夜のわかちなく、聊のいとまもすてをかす
して勤る也、時ありて旅行する事なとあれハ、
そのアツの皮を持行て夜々投宿のところおよひ
途中休息のところにても是を為す、其業を
勤るの心純一にして辛苦をかへりミさる事憐に
たへたり、
事にて、糸を造るといふ事なり、是は前にいふ
如くアツの皮をよくーーやはらかになしてより、
麻を績する如くいつにもさきて次第につなき、
岐頭の木に巻つくる事図のことし、そのさまさなから
奥羽の両国にてしな太布を織る糸を績くとこと
なる事なし、
しな太布といふは、しなといへる木の皮にて織し
ものなり、是は奥羽の民家にて此布をもて
衣に製し、農務およひ力を労する業をなす時
に服するものなり、とりもなをさす今蝦夷の
人服用するアツトシは、此製の遺風を伝へたると
見ゆるなり、
凡衣服を製する業のうち、此糸を績事尤かた
き事にて、日かすを重ぬるにあらされは就しさる
ゆへ、昼夜のわかちなく、聊のいとまもすてをかす
して勤る也、時ありて旅行する事なとあれハ、
そのアツの皮を持行て夜々投宿のところおよひ
途中休息のところにても是を為す、其業を
勤るの心純一にして辛苦をかへりミさる事憐に
たへたり、



































