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"イタラツベ": 3 件ヒット
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第6巻, 4ページ, タイトル: |
| 本邦よりわたるところのものにて、古き絹の
服なり、チミツブといへるも同しく 本邦より
わたるところの古き木綿の服なり、此三種の衣は
いつれも其地に産せさるものにて得かたき品ゆへ、
殊の外に重んし、礼式の時の装束ともいふへきさま
になし置き、鬼神祭礼の盛礼か、あるは
本邦官役の人に初て謁見するとふの時にのミ服用
して、尋常の事にもちゆる事はあらす、其中殊に
シツトクとシヤランベの二種は、其品も美麗なるをもて、
もつとも上品の衣とする事也、アツトシ、イタラツベ、モウウリ、
ウリ、ラプリ、ケラこの六種の衣はいつ
れも夷人の製するところのもの也、その中、モウウリ
は水豹の皮にて造りしをいひ、ウリはすへて獣皮
にて造りしをいひ、ラフリは鳥の羽にて造りしを
いひ、ケラは草にて造りしをいふ、この四種はいつれも
下品の衣として礼服とふには用る事をかたく禁
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第6巻, 5ページ, タイトル: |
| するなり、たゝアツトシ、イタラツベの二種は夷人の
製するうちにて殊に上品の衣とす、其製するさまも
本邦機杼の業とひとしき事にて、心を尽し力を
致す事尤甚し、此二種のうちにもわけてアツトシ
の方を重んする事にて、夷地をしなへて男女ともに
平日の服用とし、前にしるせし鬼神祭祀の時あるは
貴人謁見の時とふの礼式にシツトク、シヤランベ、チミツプ
三種の衣なきものは、ミな此アツトシのミを服用する事也、
其外の鳥羽・獣皮とふにて製せし衣はかたく禁
断して服する事を許さす、
凡この衣服の中、機杼より出たるをは尊ミ、鳥
獣の羽皮とふにて製したるを賤しミ、かつ
礼式ともいふへき時に服用する衣は製禁を
もふけ置く事なと、辺辟草莽の地にありてハ
いかにも尊ふへき事なり、其左衽せるをもて戎狄の
属といはん事、尤以て然るへからす、教といふ事のなき
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第6巻, 7ページ, タイトル: |
| 其造れるさまも殊に艱難にて、 本邦機杼
の業とひとしき事ゆへ、其製しかたの始終本末
子細に図に録せるなり、イタラツベといふもアツトシ
とひとしき物ゆへ、これ又委しく録すへき理
なりといへとも、此衣は夷地のうち南方の地とふにてハ造り
用る者尤すくなくして、ひとり北地の夷人のミ稀に
製する事ゆへ、其製せるさま詳ならぬ事とも
多し、しかれともその製するに用る糸は夷語に
モヲセイ、ニハイ、ムンハイ、クソウといへる四種の草を
日にさらし、糸となして織事ゆへ、其製方の始末
全くアツトシとことならさるよしをいへり、こゝをもて
此書にはたゝアツトシの製しかたのミを録して、
イタラツペのかたは略せるなり、
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